オリンピックに大阪万博。日本人よ、浮かれている場合じゃない
国の凋落を示す最後の「サーカス」になるかもしれない。
■最後の「サーカス」になる可能性
このように見てくれば、古代ローマは、今の時代よりはるかに健康だったように思える。西欧近代がなんとか古代ローマの文化水準に追いつきはじめたのは19世紀に入ってからである。実際に古代ローマは偉大だったのだ。
その近代が西欧に先駆けて崩壊に向かったのが現在の日本だと思う。完全な近代国家など左翼の妄想の中にしか存在しない。現実世界においては、それぞれの国がそれぞれの事情に合わせて、本音と建前を使い分けて国の運営を行ってきた。しかし今の日本には建前すらない。
この事実を象徴するのが、2015年7月26日の首相補佐官・礒崎陽輔の「法的安定性は関係ない」という発言だった。
財務省は公文書を改竄、防衛省は日報を隠蔽、厚労省はデータを捏造。日本語の破壊も急激に進んだ。
国民の財産を外資に売り渡す売国奴が自称愛国者に支持され、嘘、デマ、プロパガンダが徹底的に社会に垂れ流された結果、日本はすでに世界第四位の移民大国になっている。
2018年7月の後半、日本列島は連日の猛暑に襲われた。寝苦しい夜が続き、熱射病や熱中症による死者も続出。学校の教室や体育館にエアコンがついていないのはおかしいと行政の責任を追及する声が上がった。
朝日新聞は、中高生の部活中の熱中症に警鐘を鳴らす記事で「『それは無理』と感じた時、『もうダメだ』と体に異変を感じた時、仲間の様子がおかしい時、自分や仲間を守るために、声を上げましょう」と書いていた(2018年7月14日)。まったくそのとおりだが、一方、炎天下の甲子園では朝日新聞社主催の高校野球が続けられている。
スポーツ庁と文部科学省は、2020年東京五輪・パラリンピックの期間中(7月24日~8月9日・8月25日~9月6日)にボランティアに参加しやすいように全国の大学と高等専門学校に授業や試験期間を繰り上げるなど柔軟な対応を求める通知を出したという。
熱波で脳がやられたのはこうした連中だ。学業より「サーカス」の片棒を担げと言うなら、国の崩壊も間近と考えるしかない。
そもそも誘致のときから嘘と汚辱にまみれた東京オリンピックである。
猛暑の中で何人か選手が死ねば、それこそわが国の凋落を示す最後の「サーカス」になるかもしれない。
(『もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告』より再構成)